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不良の彼は 甘くて強引
第11章 ベンチ


──いつの間にやら

夕暮れ時のオレンジの空は
長い夜へむけてその色を変えていこうとしていた。



「…あぁッ」

首筋に顔を埋めたまま
匠はゆっくりと柚子の身体をベンチに引き倒す。


ボタンを外されはだけてしまった胸元

そこにも匠の顔がうずまる。


柚子はもはや…為されるがままだった。



“こんな…… いつ人が来てもおかしくないような場所で、この仕打ち…!!”



だが抵抗するには

彼女の肌に吸い付く熱い唇があまりにも激しく
あまりにも甘い刺激に満ちていたのだ。



「くう…ハァ…ァ…・・・っ」


「──…ああ、最後に確認だが」


唇を離し、柚子の顔を覗きこむ。





「今日はバイトはないだろうな?」


「は、い……」




柚子は素直に答える。





「…上出来だ」



匠の手は柚子の服の中に差し込まれ
彼の唇が…彼女の熱を帯びた柔肌に落とされる


咄嗟に出た恥じらいの声も
木々のざわめきにかき消されてしまった──。







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