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不良の彼は 甘くて強引
第3章 望まない快楽
「名前は?何て名だ」
そう言って、怯えるわたしの足元に座り込んだ。
「答えろよ……」
男の声が少し怖くなり
とっさにわたしは答えた。
「矢崎…」
「下の名だよ」
「ゆ、柚子です…っ」
名前を聞いた男は、満足げにふっと笑う。
「あの女は帰したぜ」
「…え?」
「あいつらが遊ぼうとしてた女子高生だよ。お前のせいで興ざめしちまったみたいだしな、柚子」
名前を呼ばれてドキリとする。
それは…良かった…けど
どう考えても素直に喜べる状況じゃない。
あの子は助かった、でも
自分はいったいどうされるのか──
不安に染まる柚子の顔。
その反応を楽しむかのように、男は彼女に置かれた状況を突きつけた。
「お前の頑張りは晴れて実を結んだってことだ。…ただ、此方としてはそれだけで済ませるわけにいかないだろう」
少し間をおいて付け加える。
「…俺は匠だ、よろしくな、柚子」