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不良の彼は 甘くて強引
第14章 そこを動くな
浴衣祭りが終わると、大学は一気に夏休みへ入ろうとしていた。
昨日をもってレポート作成などの慌ただしい時期もようやく終わった。
そんな安堵が周りから聞こえてくる、午後の講義室。
休みに入ったら…
久しぶりに両親に会える。
いつから帰ろうか…。
「でもバイトがあるから、あまり長くは帰られないわね」
柚子はスケジュールを確認しながら帰省の日にちを調整する。
柚子は早く帰りたかった。
約4ヶ月の大学生活の中で、楽しいことも嬉しいこともあったけれど
それ以上に辛いことが多かった。
どこか現実離れした日々
匠によって掻き乱された日常…
一度ふるさとに帰れば、忘れることができるかもしれない。