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不良の彼は 甘くて強引
第14章 そこを動くな
ブブブ....
「…ん、電話」
バイブ音が鳴り柚子は携帯を鞄から取り出す。
「あ」
待ち受け画面に表示されたのは「匠さん」の文字。
浴衣祭りの時に二人は番号を交換していたのだ。
しかし当然、今の柚子は匠と話したくなかった。
「……」
暫く、振動する携帯を出ることもなく眺めている。
....
ようやく鳴り終わった。
ほっとした柚子は鞄に収めようとするが…
「…わっ!!」
間髪入れずに再び鳴りだすバイブ音。
今は、彼と話したくない…
でも、ここで無視したら後が怖い。
「…ふぅ」
一度ゆっくり深呼吸。
周りに人が少ないのを確認し柚子は恐る恐る電話に出た。