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不良の彼は 甘くて強引
第14章 そこを動くな
「休みはいつからだ?」
唐突な質問。
「休み…?授業は次の金曜日に終わりますけど」
柚子の返答に、匠は真っ直ぐ前を見たまま歩き続ける。
「……?」
「休みに入ったら…行くところがある」
「…あっ、でも、8月の半分は実家に帰ります!」
「……何だと…!?」
「ごめんなさいっ」
少し声を荒げた匠を柚子はどぎまぎしながら見上げた。
「いや…、それは仕方無い……」
──お許しが出ました。
良かった…。
「どこに行くんですか?」
落ち着いた匠を確認して尋ねる。
「……夏だからな」
「夏だから…」
「海だ」
「ああ、なるほど」
思わず頷いていた。
……ん!?
「……え…、海…っ…?」
驚いた柚子は立ち止まる。
匠は彼女の顔を覗き込んだ。
「可愛い水着を着てこいよ」