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不良の彼は 甘くて強引
第14章 そこを動くな
───
匠に脱がされた服を着た後
柚子は上手く力の入らない脚で講義室を後にした。
前を歩く匠が振り向く。
「もっと速く歩け」
「ごめんなさい…!」
激しい絶頂をした後の身体はまだ熱をもっている。
匠はゆっくりと歩きそんな彼女の歩幅に合わせた。
ほんの一時間程前
大学の廊下を駆け回り周囲を騒がせた二人は、何事もなかったかのように校舎を出た。
“結局、何も解決していないんじゃあ…”
自分の恋心を思わず口走ってしまっただけで
匠の気持ちはわからずじまいだ。
紗織さんとの事も、わたしは何も知らない。
また遊ばれただけなのでは…。
そう考えると、最後だけは何とか理性を振り絞って彼の誘惑を拒否したのはまだ良かった気がする。
途中で終わらされた身体の方はまだ納得していないのか、ジンジンと子宮が疼くのを感じるけれど…。
「…もの足りないか」
「……えッ!?」
心を見透かしたようなその言葉に
「そんなわけないです!!」
柚子は少々ムキになって答えた。