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不良の彼は 甘くて強引
第18章 因縁


まるで何かの唸り声のようないびき。


部屋に響き渡るその音に

匠は目を覚ました。



こいつはいつも
最悪の目覚めを提供してくれるもんだ…!




「おい」

ベッドから起き上がった匠はソファーで眠るその男に声をかける。



「グォーーー……」

返事はない。



「・・・」



匠は無言で手近にあったテーブルランプを手に取る。

放り投げようとして

「…もったいない」

思いとどまった。



ランプはもとに戻し、代わりにテーブル上の本を取った。





ヒュッ




「グォッ…、──ッ!!!!!」


男の頭に固いものが命中すると同時にいびきが途切れた。



「いってー!!!!」

「いいかげん起きやがれ」


叫び声をあげて飛び起きた男はあまりの痛みに涙目になって辺りを見渡す。



「匠!!! 何しやがる!!」

「…お前のそのいびきどうにかしろよ、修一。騒音段階はジェット機と同レベルだ」


修一は痛む額に手をおく。


「うわっあり得ねぇ!!血が出てんじゃねぇかよ…!」


どうやら

修一にとっても最悪な目覚めになってしまったようだ。



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