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不良の彼は 甘くて強引
第21章 弱者は弱いか



「……」


柚子は悩んでいた
ずっと………。



ノートを開いたまま、そのページが進められることはない。




《何か他の理由があるんじゃないのかい》



翔にそう言われて考えてみたけれど、柚子には何ひとつわからなかった。

確信がもてるものがなかったのだ。


父親の死……

それが今回の事に何かしら関係があるのだろうが、これ以上のことは柚子の知るはずもない。


だから彼女は先日
ある人物を訪ねたのだった。


その人物は少なくとも今の自分より彼のことに詳しい筈。


そう思い、柚子はその男を訪ねることに決めたのだった。








────…










「──はぁ!!?…お前ふざけんなよっ!!」






柚子たちが


…ひとりでは危ないと心配した翔もついてきていたのであったが


彼女たちがその男を訪ねた時、彼はちょうど仕事の休憩時間だった。


寒空のもとでしっかりと作業着を着込み、共に働く仲間たちと熱いコーヒーをすすっていたその男は

柚子の姿を見つけるなり素っ頓狂な声をあげた。



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