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不良の彼は 甘くて強引
第21章 弱者は弱いか
「──…で、上の空の君は、勉強なんてしてはかどってるのかい?」
テーブルに置かれた柚子のノートを指差しながら、クスリと微笑んだ。
「全然、頭に入ってきません…」
柚子は初めから進んでいないそのページを引き寄せ弱々しく笑いながら首を振る。
「あの日の、修一さんに聞いたことが気になって…」
考えてみれば、もともとは疑問を解決するために彼に話を聞きにいったのが…!
結局、余計に謎を増やされてしまった。
「そっか…」
気になるか……
やはりそうだろうな。
「…柚子ちゃんに見せたいものがある」
「見せたいもの?何ですか?」
翔が鞄を開け
中から取り出したのはノートパソコン。
さっそくそれに電源をつけた。
「彼の話を聞いた後、…俺の中でひとつの仮説がたってね。調べてみたら──」
「…?」
「やはりそういうことだったよ」
インターネットを開き、翔が入力した文字
< 市ノ瀬 医師 >
「…医師?」