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不良の彼は 甘くて強引
第22章 囚われた生き方




部屋の時計が午前零時の時を告げるころ



ソファーに腰掛けた匠は、テーブルに広げられた講義資料を前にして復習をしていた。



流石の彼でも、何の勉強もしないままに定期試験は受けられない。

日本中から集められた天才と言われる学生達…その中でもさらに抜きん出た成績を取らなければ医学科に居続けることはできないのだ。


大学受験後も生徒をさらにふるいにかける…

この大学独自のこのシステムは、生徒を伸ばすのか、はたまた優秀な人材を無駄にしているのか…。



それは定かではないが

" 生き残ってしまえば "

そんなことは関係ない。



中途半端な天才は、所詮、凡人なのだから。





「匠、お前何時までそれ続けるつもりだ?」



髪をドライヤーで乾かして洗面所から出てきたのは、修一。


どうやら匠は、今日もこの呑気な居候と同居中のようだ。



「・・・・」

匠は答えない。



「…俺は明日も朝が早いんだぜ?お前がそこにいると寝れねーじゃねぇか」

「…床で寝ろ」


修一の方など見向きもしない匠は、カタカタと音を立ててペンを持つ右手を小刻みに揺らしている。



“やっぱ苛ついてんな…”


修一はやれやれと言った顔で
ベッドに腰掛けた。




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