この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
不良の彼は 甘くて強引
第23章 お前を喰わせろ
「それにお父さんが亡くなった時だって…!…匠さんはずっと苦しんでた…!!」
「違う、あれは…」
「大学休んでたもの!!!」
顔こそあげないものの、その有無を言わせぬ彼女の勢いに、匠はただただ圧倒されて言葉が出ない。
「お酒、飲んでたもの…!!」
「……」
「親の死を悲しむのは当たり前…匠さんは狂ってなんかいない!!」
「…それは」
「だからまだ…間に合うんです」
「…ッ…無理だ…!」
「わたしが変える…!!」
「──…!!」
意表を突いた彼女の言葉に
匠には口を挟む隙間がない。
柚子はゆっくりと顔をあげ
大きく見開かれた赤い目をそんな様子の彼に向ける。
「…わたしが変える」
「……」
「わたしが、匠さんを変えてみせます…だから…」
「……だから、何だ」
柚子の声が急に勢いを失う。
「……、一緒に…ッ…いさせてください…」