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不良の彼は 甘くて強引
第23章 お前を喰わせろ
だがそれでも──
「……!」
匠の腕は、泣きはらす柚子を掻き抱く
自らを見上げるその顔を
自分の胸に押し付ける──
「……グスッ…」
「お前が俺をどう変えるというんだ…」
まだ冷たいままの彼女の黒髪に匠の鼻が埋まる
首筋に熱い吐息が吹きかかった。
「できるのかよ、お前に…。…泣き虫の分際で…!」
「…変える!」
押し付けられた胸に息苦しさをおぼえながらも、柚子は小さく答えた。
「どうやって変える…」
「…まだわからない」
「わからないのか?」
「……グスッ…、ごめんなさい……!」
「……」
耳元で囁く彼の唇の
その端が僅かに上がる。
「…お前が検事になろうものなら全敗は確実だな」
何の根拠もあてもない
無茶苦茶な事を言う女だ
だが、まずいな…