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不良の彼は 甘くて強引
第23章 お前を喰わせろ
「あ…! ごめんなさいっ、つぶれてしまって…!!」
「……」
取り返そうとした柚子だが、匠はそれを頭上につまみ上げてしまい彼女には届かない。
「また今度ちゃんとしたのを…!」
「……」
台無しとなったケーキをまじまじと見られ、柚子は恥ずかしいのと申し訳ないのであたふたする。
「…匠さん?」
取り上げたケーキを横のカウンターに置いた匠。
「それ…」
「…あれは後で食べる」
ケーキを追って伸ばされた両手を
匠は片方ずつ捉えると、彼女の顔の横に固定した。
「──…?」
壁に押し付けられた柚子。
目の前には彼の瞳。
「取り敢えず…、──…お前を喰わせろ」
彼の顔が近づき
そのまま
重ねられた唇───。