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不良の彼は 甘くて強引
第24章 蜜なる時間
「…今はもう…不謹慎ではないだろう?」
「は…い」
匠の作り出した場の雰囲気に呑み込まれた彼女は、潤んだ瞳を彼に返す。
とろんとした顔の柚子は、いつもより優しげなその雰囲気に……完璧に騙されていた。
従順な様子の彼女に、匠は妖しく笑う。
彼の中の性分がふつふつと蘇ってきた。
「凍死寸前のバカなお前を…俺が直接温めてやる」
「……///」
「──…俺のボタンを取れ」
「…えッ!?」
驚く柚子の両手首が解放され、再び壁を付いた匠の手によって逃げ道を奪われる。
ボタンを取れって……!?
ちらりと彼の顔に目をやると
ああ…ダメだ
完全に、わたしを試して楽しんでる時の顔。
こういう時の彼はもう止まってはくれない。
「柚子……」
熱い吐息とともに顔に吹きかけられたその声は、これでもかというほどに甘かった。
「……ッ」
この声の使い分け…
……卑怯…っ
真っ赤になって俯いた彼女は観念した様子で匠のシャツに手を伸ばす。
すると柚子の顔を覗き込んでいた匠は身体を起こし、彼女が取りやすいように近づけた。