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不良の彼は 甘くて強引
第24章 蜜なる時間


目の前に迫った彼の胸の…
ボタンを一つずつ外していく。


「──!?」

この寒空の季節に……

シャツの下に何も着ていないとは何事か。


三つ目のボタンを外すころには彼女の指は止まってしまっていた。



「……どうした」

「…恥ずかしい…」


自分で脱がせておきながら同時に恥ずかしがるという 一見可笑しな反応をみせる柚子。



自分はケーキを届けに来たはずだ。

なのに…この状況はいったいどうしたことだろう。


「…忠告は…した筈だな」

頭上で囁くその声に身体がゾクリと反応する。


躊躇する彼女の脇腹に

匠の手が差し込まれた。



「…あッ…」


素肌に触れた温かさが
そのままスカートの中に下りてくる。

縮こまった彼女の腰をその手は優しく撫で回した。



「ダメッ…」

「……早く取れ」

手の動きはそのままに柚子に続行を命じる──



「ああ…ッ…」

匠に言われるまま懸命にボタンを外そうとする柚子だが、指先に集中するたびに腰を悩ましく動く手がそれを邪魔する。


「…っ…手…止めて…ッ」

上手く外せない……!

「…ふっ」

そんな彼女を嘲笑うかのような彼の手つき。



「……んッ…」


一個ずつ一個ずつ…

ボタンを外すごとに目の前にひけらかされる匠の

その逞しい胸板……。


さすがの柚子といえど、興奮するなというのは酷だった。




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