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不良の彼は 甘くて強引
第24章 蜜なる時間



匠は彼女を抱え上げ、ぐったりとしたその身体をベッドに静かに横たえる。



パチン



部屋の照明が消された。



少しして代わりに枕元のランプの明かりが灯され

柚子の高揚した顔がほんのりと浮かび上がった。






「ハァ…、ハァ……」


仰向けに寝かされた柚子が瞼を幽かにあげると、真っ暗な中に赤っぽい明かりが部屋を薄く照らし、そこに立つ長身の人影を映し出す。





ベルトを外す音


続いて聞こえたのは、パサリと服を脱ぎ捨てた音。




柚子は無意識のうちに布団を引き寄せ、なんとか自らの裸体を隠した。




…どのような時も

恥じらう女というのは男の本能をくすぐるものだ。


とくに、この男に関しては……。




「……随分とそそるじゃないか…柚子」


「……!!」


暗闇から響いてきた彼の声に

まだ荒い呼吸を続ける柚子の

それが一瞬止まる。



ゾクリとする感覚

だがそれは恐れによるものだけでは決してない。


絶頂を迎えて、なおも速まる柚子の鼓動


彼女は自身のそれに気づいていた。




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