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不良の彼は 甘くて強引
第24章 蜜なる時間


絡まった舌は、初めこそ彼女の歯列をなぞる程度に止まっていた動きも

しだいに柚子を強く吸いたてるようになる。


「…んッ…」

息苦しさに声を漏らした柚子の固く閉じた瞼の上に
匠の額から大粒の汗が滴り落ちた。


暗い部屋の中

彼の荒い息づかいが朦朧とした彼女の鼓膜を震わす。



「…はぁっ……ッ」


休む暇など与えられる筈もなく…匠の腰が再び悩ましく動き出した。



“…どうしてッ…──?”


再開された陵辱とすぐさまに高なり始める官能。

切なげに歯を食いしばった柚子は、その中で誰にともなく問いかける。



激しすぎる…ッ…!!


「…あッ…それ以上っ…動いたら‥‥」


彼のこの激しさは
いったい何なのだろう。

途切れること無く打ちつけられる彼のこの熱い身体は…。



「…っ……くッ…」

悶える柚子を見下ろす匠から
低く呻く声が聞こえる。


…こんなに余裕のない彼の姿を柚子は知らなかった。



……まるで、何かに焦っているよう


そんな風に考えた柚子は、追い立てられた彼が 今宵を最後にどこかへ消えていってしまうような──

この激しすぎる一夜を最後に

彼はわたしの前からいなくなってしまうような──


突き抜ける快感に身をまかせながら、そんな不安に駆られていた。





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