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不良の彼は 甘くて強引
第25章 温もり





ピッ




布団に入ったまま手を伸ばした匠は、エアコンの暖房を押してリモコンを置く。


「ハァ…ハァ…ハァ…」

その横では、ぐったりした様子で息を切らす柚子の姿…。



部屋が暖まるまで

匠は柚子を再び抱き締めた。



「……ふっ…、身体が温まったか?」

「ハァ…ハァ…、…そうですけど…」


朝っぱらから襲わなくったって…!


「そろそろ…布団から出ません?」

柚子は控え目に提案する。


「…まぁいいだろう……」


匠の許しがおり
やっと彼女は解放された。




この前と同じ様に、ベッド下からガウンを取り出し羽織りながら起き上がった匠は

冷蔵庫から冷水を取り出して柚子にも渡す。


コップを受け取った柚子が時計を確認すると午前九時

結局昨晩は夜ご飯を食べていないので、お腹も減るはずだ。





「取り敢えず先にシャワーを浴びてこい…。その後で、朝飯と一緒にお前の持ってきた不細工なケーキも食べてやる」


「・・・・」


「……何だ」


「…わたしが先でいいんですか…?」


「構わない。さっさと浴びてこい…」



そう言って部屋に脱ぎ捨てられた彼女の服を投げてよこした。





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