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不良の彼は 甘くて強引
第25章 温もり
“──動物園とは…実にくだらない場所だったな”
柚子を背後に残して駐輪場へ向かう匠。
犬や蛇を抱いたところでいったい何が楽しいというのか。
毎日のように食卓にあがるのも同じ動物だろうに、一方では可愛がって見せ物にする。
俺には理解できない。
だが……
あんなに生き生きとしたあいつの姿は初めてだった。
それほど楽しかったか。
“あいつがあれほど好きな物ならば……”
俺も同じように
好きになれるのだろうか。
柚子の生きる世界を…。
自然と笑みを浮かべていた匠は
バイクを引いて駐輪場へ入る。
....
だがそれは
一瞬のうちに起こった。
「──…ッ!!?」
中で待ち構えていた二人の男に
後頭部を強打された彼は
「…ぐッ‥‥っ…、……誰 だ‥!」
満足に声も出せず
その場に崩れるように倒れる──