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不良の彼は 甘くて強引
第25章 温もり

「わ、わたし…っ…やっぱり電車で帰りますね」


それではまた…

今日はとても楽しかったです
ありがとうございましたっ



慌てる柚子はそそくさと挨拶をすませると、回れ右をして立ち去ろうとした。







ガシッ



「…!」


肩を掴んで引き戻される。


驚く彼女の顎を捕らえ
匠は自分の方に向けさせた。




「…あのっ」


「…わけのわからん動物ばかり抱かせやがって…。次はお前の番だ」


「わたしの、番…!?」


「好きなだけ抱いてやるから覚悟しておけよ…せいぜい良い声で鳴くんだな」




顔を真っ赤にして固まる彼女の耳元に妖しく囁く。


その声は

脅しているような
試しているような
誘っているような…


「…ふっ」

彼女の反応を見て楽しんでいるのだけは間違いない。




脚が固まって逃げることさえできない柚子に満足げに微笑むと


「…帰るなよ」


バイクを収めに駐輪場へ向かった。




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