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不良の彼は 甘くて強引
第26章 連鎖
「逃げんな!!!」
置いてけぼりをくらった男を
修一が捕らえる。
立ち上がらないように地面に押し付けた。
「…く…ッ……!!」
振り返ると同時に、殴られた後頭部に手をやる匠。
やはり…
少量だが出血がみられる。
「…そいつらは何なんだ、修一…!」
「知らねぇよ」
「……っ…何故お前がここにいる…」
ふらついた足取りで修一のもとへ歩き、羽交い締めにされた男を見下ろす。
「お前のアパート前で怪しい動きがあると連絡が入った…」
修一に連絡をしたのは
恐らく匠の仲間の一人だろう。
「…まぁどうせ、昔お前にボコられたとか、女を横取りされたかだろうが。…こいつの顔に心当たりはねぇのかよ、匠…
──…??……匠…?」
匠からの返答がない。
先ほどまで男達の車が止められていた場所に目をやる彼には、修一の言葉が届いていないようだった。
「…おいどうした。出血多量で死ぬ気か?」
シカトを続ける匠に、修一は縁起でもないことを言ってみせる。
「──…!」
「聞いてんのか」
「…あいつはどこだ」
「だからもう逃げたって…──」
「…いない…っ…」
「…?」
心なしか……
彼の声が震えていた。
「…柚子は…っ ──…何処にいる…!!!」