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不良の彼は 甘くて強引
第26章 連鎖
柚子がいない。
「何処へいった…!」
目を見開いて固まる匠の姿に
修一も状況を読み取った。
「…柚子…!? あの女もいたのか…?」
だが、俺が駆けつけた時には誰も……
まさか
「あいつらに連れ去られたのか!?」
「…っ…!」
声にならない、匠の激しい動揺が伝わってくる。
まさかもなにも、そうとしか考えられない…
柚子が合気道をたしなんでいようがいまいが、男が本気を出したらなんの抵抗にもならないからだ。
「貴様…!!」
修一の方に振り返った匠は、彼に組み敷かれたその男を睨みつけると
被さる修一を荒々しくどかした。
「…貴様…っ…何が目的だ…!! 柚子をどうするつもりだ!!」
「ひっ‥」
怯えて顔をひきつらせる男の顎の下に 匠の腕が入り込み、その首に強く圧を込めはじめる。
「答えろ──!!」
「匠!! 人が来たら不味いぞ…!」
いつもとは違う匠の気迫に修一は危機感を覚えた。
このままでは──
「…お…女もいたら、一緒に連れてこいと…っ」
「何処にだ……!!」
「…ッ……」
「さっさと言え!」