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不良の彼は 甘くて強引
第5章 なぜここにいるの
「ほら、柚子ちゃん、あの先輩だって。あそこ、ほら、あの扉の…」
固まる柚子に、奈々は懸命に説明している。
「……どういう事」
悪夢はまだ、終わっていないとゆうの──?
柚子は動揺を隠せない。
と、向こうの方からこちらに近づいてきた。
「──…!!」
後ずさりそうになる柚子
「奈々、先輩ってあの人のこと?…って柚子、どうかした?」
美佳が柚子の異変に気付く。
「あ、いや、別に…」
男は三人の前で立ち止まった。
「悪いな、わざわざ案内させて」
「いいえー、大丈夫です」
奈々は照れながら笑顔で返した。
「借りていくぞ」
男の手が柚子の手首を掴む。
「へ?あ、あの…!!」
そのまま男は向きをかえ、柚子を無理やり引っ張っていった。
「あ、美香ちゃん奈々ちゃ…」
そのまま連れ去られる──
残された二人
「柚子が拉致られたわ」
「うん……」