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不良の彼は 甘くて強引
第28章 失った免罪符




「茶髪が俺に何のようだ…」



苛立ちを隠せない匠。



「名字ぐらいは覚えてくれないか? 俺は三上だ」

「……立ち聞きとはいい趣味だな」

「こう…ドアを開けっ放しで話されたらね…」


嫌でも聞こえるさ

翔はクスリと笑った。




「……っ…!」


みるみるうちに不機嫌さを帯びてきた目つきで翔を一睨みすると、匠はそのまま立ち去ろうとする。


そんな彼の背後に、翔の問いが掛けられた。



「あの子を手放すなんて、随分と今更じゃないか」


「……ッ」


匠の足が止まり

振り向くことはないままに言い捨てた。


「…お前の知ったことか」

「君の心中を…察することはできるけどね」


立ち止まった匠の後ろ姿に

翔は落ち着いた口調で話を続けた。



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