この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
不良の彼は 甘くて強引
第30章 君、想い…
手で顔を覆ったまま
翔の歯がギリリと音をたてた。
「……っ」
俺はいったい何がしたいんだ。
ただ…悩む柚子の助けになりたかった。自分を頼ってくる彼女を放っておけなかった。
だから彼女を導いた。
そうして君が市ノ瀬を選んだとしても…
それが君の望みなら──
君を悲しませることなら
この想い…隠し通してみせると。
“…なのに ”
この想いは薄まるどころか
日を追うごとに増え続ける一方じゃないか。
「……、市ノ瀬を責める権利がどこにある…?」
天を仰ぐ彼の口元に皮肉げな笑みが浮かぶ。
彼もまた、眠れぬ夜に苦しんでいた。
ベッドに身を倒した彼を毎晩のように襲う
決して赦されない悪夢──
それは…禁忌の行為。