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不良の彼は 甘くて強引
第30章 君、想い…
だがそれでも、諦めきれない。
内に潜む闇の部分が
彼女を奪えと俺を惑わす。
…そんなことがあってはならない、大事なのは…彼女の気持ちだ。
だから俺は、柚子の想いを後押ししてきた。
彼女の力になろうとした。
いつか…その心が
俺に向けられはしないかと
幽かな希望を抱いて───
「……」
柚子を抱き寄せる腕の力が徐々に弱まり、彼の両手が、彼女の華奢な肩に添えられた。
柔らかな眼差しで、柚子の顔を覗き込む。
「──キスだけなら…許してくれる…?」
「……!」
「今日だけだ…」
「……」
柚子は
コクリと頷いた。
「ありがとう…──」
彼女の乱れた黒髪を優しくとかし
翔は首を横に傾けると
そっと…
唇を重ねたのだった──。