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不良の彼は 甘くて強引
第30章 君、想い…
「…もう、何も言わなくていい……!」
.....
ある春の日の電車の中。
そこで見つけた、痴漢されている女の子。
その、辛そうな横顔に…
気づいた時には、助けようと叫んでいた。
そうして痴漢たちに解放された彼女は──
ふらふらとした足取りで
俺のところまで一生懸命…。
電車が揺れて、俺の胸に崩れ落ちた。
力の入らない身体で
必死に俺の腕にしがみついた──
「……」
…ただの一目惚れだ。
でも、その子は同じ大学の…市ノ瀬の彼女だと噂になっていた子だと気づいた。
本当に彼女なら…諦めるしかない。
俺の中のちっぽけな道徳心が
そう、囁いてきたんだ…。