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不良の彼は 甘くて強引
第6章 忍び寄る陵辱の影
あれからちょうど1週間──
匠は柚子に会いにくることはなかった。
“ このまま忘れてくれれば ”
そう彼女は祈っていた。
そうなれば、また今まで通りの生活に戻ることができる。
だった筈が──
ただ一つ、すでに彼女は困った状況に陥っていたのだ。
「あれから市ノ瀬先輩来ないの?」
お昼ご飯の時間。
キャンパス内のカフェテリアにて、お弁当の包みを開こうとする柚子に美佳が問いかけた。
「来てないよ」
「なーんだ、つまんないの」
美佳は一口大に切ったハンバーグをぱくっと口に放り込む。
あの日わたしを引っ張って廊下を歩く(というより拉致する?)彼を、かなりの人達が見ていたのだ。
そのせいで、わたしがあの人の彼女だという噂があっという間に広がってしまって…。
「そんな、親しい仲でもないから……」
「そぉ?そもそも、あの日は何用だったのよ、強引に連れてかれちゃって♪」
「そ、それは」
言えない…!
パンツ返されたあと…脅されて…無理やりキスされてたなんて。
「言えないんだ…」
美佳は口ごもる彼女をからかった。