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不良の彼は 甘くて強引
第32章 湧き立つ想い

匠は目を閉じた。
「……!」
ふつふつと…
湧き上がってくる。
柚子を恐れるその想いが
ずっと蓋をしてきたその感情。
…開けてはならない
その蓋が再び、開かれることは許されない…。
この感情を野放しにすれば
昔の俺に戻ることになる。
柚子と出会って間もないころの自分…
独占欲と執着心の塊だった
あの頃の姿に──
《怒りを感じないのか》
「…!」
感じないわけ…
あるはずがないだろう。
俺は昔から
一度手に入れたものに容赦などしない…!

