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不良の彼は 甘くて強引
第32章 湧き立つ想い

《 なんで匠さんなの 》
どうして…よりによって
わたしが好きになったのは匠さんだったの?
どうしてあの日わたしを襲ったのがあなただったの?
もっと別の場所で、違う形で
あなたに会いたかった…!!
大学生にして迎えた初恋。
あなたにだけは
惹かれてはいけなかったのに──
「…っ」
柚子はある程度の水気を拭き取ると、カーテンを引き脱衣所に出た。
ふと横を見やると
そこには鏡に映る自身の姿が…。
「……ひどい顔」
やつれているって、…こんな顔のことを言うのかしら。
いろいろ忙しいんだから
仕方がないでしょう…!
鏡から目を逸らした柚子
その時
インターホンの音が鳴った。

