この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
不良の彼は 甘くて強引
第32章 湧き立つ想い

そして、彼の内に潜む…
人間や世論への恨み──
長年にかけて塗り固められた
その、復讐に支配された生き方。
孤独の道に進もうとする彼の姿が、わたしは悲しくて仕方がなかった。
まるで自分のことのように
辛くて苦しくて……!
痛む胸を抱えるうちに、わたしの中はもう…匠さんが殆どを占めてしまっていることに気が付いた。
いつの間にか、わたしにとって
" 恋 " が " 愛 " に変わっていたの。
恋は、とてもキラキラしていて…わたしを翻弄しながら輝いていたのだけれど──
愛は、ずしりと重たいの。
そして、匠さんの行いを知った今
心に芽生えたこの気持ちは
彼に惹かれる自分を野放しに許してはくれなくなった。
それはわたしの憎しみの感情と相まって
彼のしてきたことを決して許してはならないと
そう言ってくる…。

