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不良の彼は 甘くて強引
第32章 湧き立つ想い

予想外の訪問者に、柚子は半分パニックになる。
「ど、どうしよう…!」
会いに行こうとは思っていたけれど、向こうから来られると心の準備が……!!
残った道は…居留守作戦?
でもこの時間帯に家にいないのは不自然かな…!
「……!」
取り敢えず、服!
服を着ないと。
タオル姿の柚子はまだ生乾きの身体で慌てて服を着る。
急いでショーツと緩めのルームパンツを履き、パジャマを羽織った。
そうしておいて、再び覗いたインターホンには…
相変わらず彼の姿があった。
「…いないのか」
「……ッ!」
ドアの向こうから低く聞こえた彼の声。
柚子は反射的にビクつき
近くにあったテーブル上のドライヤーをはたき落としてしまった。
…大きな音を立てて床に落ちたドライヤー。
「…あっ」
きっとそれは、外の匠にも聞こえた筈だ。
…居留守作戦はもう使えない。
柚子は恐る恐るドアに目をやる。

