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不良の彼は 甘くて強引
第32章 湧き立つ想い

「…ゴクリ」
唾を飲み込んだあと、意を決して玄関へと向かう。
ドアに顔を近づけて向こう側の彼に呼び掛けた。
「…あの」
「…ここを開けろ」
間髪入れずに帰ってきた匠の声──
“…怒ってる? ”
柚子はそんな風に感じた。
「…あ、あの…っ…。わたし今パジャマなんですっ……だから」
「今すぐ開けろ」
「……!…ちゃんとした服を着るから、それまで待って欲しくて……」
「俺は開けろと…そう言っている」
「…っ」
匠の声は、柚子に逃げ道を与えない。
今すぐって…!
心の準備ができてない…
どうしたものかと戸惑う。
だけどもう、今しか機会はない
「……」
柚子はガチャリとドアの鍵を開けた──

