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不良の彼は 甘くて強引
第32章 湧き立つ想い

言葉のない部屋の中で──
リビングの時計の、秒針の音がチクタクと…二人の沈黙に時を刻んだ。
「…どこまでだ」
「…??」
「あの茶髪に…どこまでを許した」
「…え?…何のこと…!?」
「とぼけるな…!」
「……っ」
とぼけるなと言われても…!
茶髪?って…何?
混乱する頭を抱えて、柚子の目はキョロキョロとせわしない。
そんな彼女に匠はさらに問い詰めた。
「…お前が欲しいのは誰だ」
「欲しい…?」
「俺か?…あの茶髪男か」
「…!」
「誰だ…」
彼女の肩を掴む手に力が入った。

