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不良の彼は 甘くて強引
第32章 湧き立つ想い

匠の言葉の意味がようやく柚子にもわかった。
茶髪男……
きっと先輩のことだ。
どこまでを許したかと聞くということは
つまり……
「どうして、その事を…」
匠さんが知っているの。
それに
「なんでそんなに…怒っているんですか…!」
「怒っているだと…?」
一見 無表情な彼でも
その気持ちの荒ぶりが柚子には手に取るようにわかってしまう。
事実、匠は苛ついていた。
先程、その苛立ちを抑えきれずに翔の腹に一発入れてきたぐらいだ。
「・・・・」
この怒りともイラつきとも言える感情は──
誰に向けられたものか。
柚子か?
あの茶髪か?
それとも、俺自身か…。
「…意味がわかりません」
「…!?」
柚子は彼を睨みつける。

