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第32章 湧き立つ想い

「…何だその目は」


自分を見上げる彼女のその

熱っぽく潤んだ瞳。



「……」

「お前を黙らせただけだ…」


匠がどう弁解しようとも、もう手遅れ。


その目を彼に向けたまま
柚子の頬が徐々に赤みを帯びていく──




「…っ」


そんな顔を…
俺に見せるな……!









...ﾁｭｯ





たまらず匠はもう一度

…触れるだけのキスをする。






「……ｯ」


先ほどまでの勢いはどこへやら…。柚子はすっかり静かになってしまっていた。