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不良の彼は 甘くて強引
第32章 湧き立つ想い

「…お前は、俺を許してはならない」
「……!」
彼女の耳元へ口を寄せ、低く話し始めた。
「俺を恨み続けろ」
俺のしてきたことを認めてはならない。
世界中の人間たちが忘れたとしてもお前だけは…忘れてはならない。
「お前の意志を貫け」
「……っ」
「それは間違っていない…」
お前の中の
俺を憎むその想いこそが、正しいのだから…。
それを否定してはならない。
「その目がそれほどに透き通っているのは」
「……?」
「お前が常に…自分に正しくあろうとするからだ」
俺を許すことで──
俺のために濁らせることは、断じて許さん…!!
そこまで言って
「…っ」
匠は顔を歪めた。
「──…だが」

