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不良の彼は 甘くて強引
第33章 甘くて、強引
柚子を抱き上げた匠は、そのまま何も言わずドアを開ける。
「…っ…!?」
外へ出ようとする匠に
腕の中の柚子は戸惑った。
「…え?…あの…!」
「……!?…何だ」
「どこに行くの…?」
思わず身を小さくする。
「…俺の家だ」
「──!」
「お前を連れて帰る…!」
「……!」
連れて帰るって…
でも……!
「でも…っ…わたし、パジャマですし…」
「…っ」
匠のアパートはここからいくらか距離がある。
このまま彼女を抱いて帰るのは少し…現実的でなかった。
「…寒いのか」
柚子の言葉を聞いて匠の動きが止まる。
そういう問題ではないのだが…、柚子は小刻みに頷いた。