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不良の彼は 甘くて強引
第35章 エピローグ
「…ねぇ、柚子」
「ん?どうしたの、美佳ちゃん」
廊下の突き当たりに偶然立っていた美佳。
取り敢えず、一緒に帰ろうと
そう言って歩き出した。
「…高橋も可哀想な奴よねぇ」
「?」
柚子と話し終わった後のあいつの表情ときたら…
絵に描いたような失恋顔だったわ。
「天然なあんたでも、何となくわかるでしょう?」
「……」
「彼、1年の時からずっと柚子のことを…」
「…うん、…知ってる」
「……」
「…ふふっ、わたし…別に天然じゃないんだよ」
「……そう」
「…うん」
駅に着き、二人は別れた。
三年間…通い続けたこの駅。
リニューアルするとかで、大規模な工事が始まって一年ほど経つ――