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不良の彼は 甘くて強引
第35章 エピローグ
暫くして、店を出た二人。
「…わたしがお祝いした側なのに、先輩がお勘定って…やっぱり変ですよね」
「全然、変じゃないさ」
「そうかなぁ…」
なんだか納得しかねるけれど。
「…試験に合格したらいつから弁護士になるんですか?」
「…俺はまだ弁護士にはなれないよ。試験通過者はそのまま司法修習生になる」
「ああ、そっか…」
「…その後は暫く、叔父の事務所で世話になるつもりだ。経験を積んだら……自分の事務所も持ちたいんだけどね」
「先輩の事務所…」
想像しただけで
理想的な弁護士事務所。
「──…君は?」
「……!」
「進路は決まったかい?」
「…はい」
わたしのやりたい事は
取り敢えず決まった。
「…わたしも弁護士になるために、司法試験を目指して勉強します」
「……」
「修士課程が必要だから、そのために大学院に」
「…そっか、応援するよ」
目標の見定まった彼女の決意。
「──…ならもしその目標が叶ったら、俺の事務所に入ってくれ」
「…ええ?…わたしですか?」
「そうだよ」
「嬉しい…けど、その前に試験に受からなきゃ」
「君なら、平気さ」