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不良の彼は 甘くて強引
第36章 あとがき

結局、匠が恨んだものとは何だったのか──
例えば政治家や医者や教師など…彼等は常に道徳的で正しくあることを求められ、それを破ると強く糾弾されます。
でもいざ彼等が追い詰められると責めていた側は急に人事のように振る舞い始める。
相手のほうが強いから
自分は何を言ってもいいのだと思ってしまう…。
…匠が憎み続けたのは、そんな世論の風潮です。
" 責任 " を持たなくてよい立場にいれば、何でも都合の良いことを言い放題ですから。
匠の言っていることは極端ですが、彼のその気持ち…少しでも同情してくれたら…
そう思って書きました。
三上翔(ミカミ ショウ)
∞∞∞∞∞∞∞∞∞
まさか彼がここまで重要なキャラになるなんて…
一時は匠の存在が危ぶまれるくらいの目立ちっぷりでしたね(汗)
優しくて、紳士的な…完璧な先輩かと思いきや
やはり彼も、ひとりの人間。
愛したい、愛されたいと願うひとりの男でした。
そんな彼にとって何よりも辛かったのは、柚子の曖昧な態度だったのかもしれません。
それに気付いた柚子が
「わたしが好きなのは先輩ではない」
と伝えたことで、彼はやっと失恋できました。
なんとも切ない役回りでしたが
匠との対峙が、彼にとってのけじめ…。
翔は完璧ではないけれど、やはり素敵な男性であることに変わりはありません。

