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不良の彼は 甘くて強引
第6章 忍び寄る陵辱の影


「な、じゃあッ、君も僕と同じってわけだ!!! それなら、ぼ、僕を責められるはずないよね!!」

近づいてくる匠に怯えながら、男は精一杯の声を張り上げる。



「そうだな…」

足をかくかくさせて震えている男の目の前で

匠は止まった。




「だが、あいつはすでに俺の所有物だ。今後…関わることは許さん」


殺気にも似た威圧感。



「な、何だよ!! やっぱり怒ってるんだな、彼女で遊ばれて……ハハッ」


必死で虚勢を張るものも膝の震えは益々大きくなる。



「な、何とか言えよ!!!」

「用はすんだ。俺がお前のような部類の人間と話すことはもう無い、帰れ」

「……!!」


その鋭い目に射殺されそうになりながら男は後ずさり、向きを変えて走り出した。




.....




「待て」


「!!!…な…っ…何だよ!!」


「携帯を渡せ」


「──…!?」



有無を言わせぬ口調…


男は渋々スマホを差し出した。





受け取った匠は


「……」


男の目の前でそれを床に落とし




バキッ…・・・!!!




迷いなく踏みつけた──






「・・・・」


男は粉々になったスマホを茫然と眺める。







「良かったな…粉々にされたのがスマホの方で」




不敵な笑み

凍りつく男




「──…帰れ」





我に帰った男は


その場から一目散に逃げ出した。








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