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不良の彼は 甘くて強引
第6章 忍び寄る陵辱の影
───…
柚子がこの部屋に入ってから
数時間が経過していた。
ガチャリ
扉の鍵が開き、中から一人の男が興奮した様子で出てきた。
廊下の窓から見える空は随分暗くなってきている。
早足で立ち去ろうとする男。
その背後から
彼は突然呼び止められた。
「おい」
!!!!!!!
「…え?な、何?」
焦った男は一瞬固まると
恐る恐る後ろに振り向く。
そこに立っていたのは長身の男…
「い、い、市ノ瀬……!!!」
市ノ瀬匠…ッッ
最悪な奴が登場した。
「ぼ、僕に何のようだよ」
「ふん、とぼけるのはいい加減にしろ。俺の機嫌をそこねたいのか」
匠は男が出てきた扉にちらりと目をやった。
「中に誰かいるのか」
「………!!!」
バレてる……!!!
もう、ここで誤魔化しても意味ないか……
「ふふん、…い、いつからそこにいたの?」
「だいぶ前だな」
「何で…助けなかったんだよ」
「鍵、中から掛けられていたからな」
匠は平然と答える。
「……!!!」
“こいつ何でこんな平気なんだよ。やせ我慢か?”
「悔しくないのかよ、き、君の彼女だろ?僕みたいな男に好き勝手に遊ばれて…」
「彼女ではない」
「………へ?」
「あいつは俺の彼女ではない、俺が無理やり奪っただけの女だ」
匠は、呆気にとられているその男に近づいていく。