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不良の彼は 甘くて強引
第7章 愛か怒りか苛立ちか



「──…!」


それを聞いた匠の腰が静かに止まった。


そしてどこか苛立っていた彼の顔が

いつも通りの…

余裕あり気なものに変わっていく。




「…ハァ、…ハァ、…ハァ」

脱力しきった柚子は彼の胸にその体重を預けて、依然として自らの中に突き刺さっているモノに違和感を感じながら…深く呼吸を調えた。




「よく、答えたな」


「…ハァ…ハァ…は、い…」


「今日はこの辺で許してやる」


「…!? 本当に…?」


予想外の彼の言葉に、柚子は驚きを隠せない



「ハァ……あ、…ありが」

礼を言いかけた柚子





匠は彼女の肩を掴むと自分に寄りかかっていたその身体を再び壁に押しつけ、顎を持って上を向かせる。





「…なんて言うと思ったか」

「……えッ!!」



不敵な笑みに、ぎらついた瞳。





「言った筈だぞ、俺はまともな人間じゃない」


「…で、でも……!!」



抗議しかけた彼女の唇を
男の人差し指が制止する。




「黙れ…、今からお前が発していいのは喘ぎ声だけだ」



「そ、そんな……アッ!!」




柚子はまたつま先立ちに…



身体に付いた泡が全て消え去った後も

バスルームに響く彼女の甘い吐息と淫らな声は消えなかった──








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