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不良の彼は 甘くて強引
第7章 愛か怒りか苛立ちか


──何を泣いている


そう彼はわたしに問いただす。



“何で……?”

突き込まれるたびにおかしくなりそうな頭で、わたしは自分自身に問いかけている。



あの男に犯された時の恐怖にか

わたしの理性を壊していくほどのあの苦しみにも似た過剰な快感にか

中出しされたショックにか


それとも…今わたしを問いただしている、彼の冷たい態度にか──



「アっ…アっ!…はぁ…ッ」

「泣くほど怖かったか?奴に犯されるのが…!」

「…ハァ、…違う……!!」

「…?…何が違う」



喘ぎ声の中に、微かに柚子の答えが聞こえた。



「苦しかったの…!!」


「…」


苦しかっただと?

何を、今更




「その割には、…良い声で鳴いてたじゃないか」


「…ぁッ…だ、から……!!そのことも含めて全部……ハァ、…苦しかったの……!!」


「……」


「…あんな男に、レイプされてるのに……あんッ………感じてしまう自分が、苦しくて…!!…あぁっ…ぁ…っ」



淫らな自分…



「自分が…身も、心も…っ……あッ!!……汚されていくのが… ハァ、ハァ…」



そして
汚れてしまったのが…



苦しいの……!!!






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