この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
レモンティーな朝焼け―母娘調教―
第3章 キスの味
母のようになりたい。
幼い頃からの憧れは、圭子の心に強く根付いていたのだ。
美しく優しい母。
母は圭子よりわずか一年遅い年齢で、父と結婚をした。
父と愛し合い、自分を生んだ。
(わたしも・・・・ママのように・・・・)
眠りにつく時は、いつも夢の中で少年と結ばれる事を願う。
それが、少女のささやかな楽しみだった筈なのに。
『い、いやぁ・・・・・』
しかし、昨夜の夢は最悪であった。
目覚めた時、圭子は汗をビッショリかいていた。
『はぁっ・・・・はぁっ・・・・』
荒い息を吐く少女の細い肩が小刻みに震え、目は虚ろに宙をさ迷っていた。
『いやっ・・・・いやぁ・・・・』
おぞましさを振り払うように、何度も首を振った。
それでも悪夢はしつように脳裏にこびりつき、圭子から生気を奪っていた。
最近の寝不足のせいもあったが、今朝の顔色の悪さにはそういう訳があったのだ。
「いやっ・・・・大嫌いっ・・・」
今も駅に向かう途中で、愛おしい少年の面影を押しのけるおぞましい男のイメージに対して、少女は嫌悪感一杯の言葉を投げた。
(ひどいっ・・・・ひどいよぉ・・・・)
涙ぐんだ瞳は怒りの色に染まっている。
不条理というには余りにも悲惨な夢だった。
(どうして、あんな奴に・・・・?)
いくら夢とはいえ、信じられない事だ。
自分が許せない圭子だった。
「ごめんね、マモル君・・・・」
か細い呟きは、駅の人ごみの中で消えてしまう。
まるで自分の未来を暗示するかのようで、少女の胸に不安が広がっていくのだった。
幼い頃からの憧れは、圭子の心に強く根付いていたのだ。
美しく優しい母。
母は圭子よりわずか一年遅い年齢で、父と結婚をした。
父と愛し合い、自分を生んだ。
(わたしも・・・・ママのように・・・・)
眠りにつく時は、いつも夢の中で少年と結ばれる事を願う。
それが、少女のささやかな楽しみだった筈なのに。
『い、いやぁ・・・・・』
しかし、昨夜の夢は最悪であった。
目覚めた時、圭子は汗をビッショリかいていた。
『はぁっ・・・・はぁっ・・・・』
荒い息を吐く少女の細い肩が小刻みに震え、目は虚ろに宙をさ迷っていた。
『いやっ・・・・いやぁ・・・・』
おぞましさを振り払うように、何度も首を振った。
それでも悪夢はしつように脳裏にこびりつき、圭子から生気を奪っていた。
最近の寝不足のせいもあったが、今朝の顔色の悪さにはそういう訳があったのだ。
「いやっ・・・・大嫌いっ・・・」
今も駅に向かう途中で、愛おしい少年の面影を押しのけるおぞましい男のイメージに対して、少女は嫌悪感一杯の言葉を投げた。
(ひどいっ・・・・ひどいよぉ・・・・)
涙ぐんだ瞳は怒りの色に染まっている。
不条理というには余りにも悲惨な夢だった。
(どうして、あんな奴に・・・・?)
いくら夢とはいえ、信じられない事だ。
自分が許せない圭子だった。
「ごめんね、マモル君・・・・」
か細い呟きは、駅の人ごみの中で消えてしまう。
まるで自分の未来を暗示するかのようで、少女の胸に不安が広がっていくのだった。