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レモンティーな朝焼け―母娘調教―
第32章 思い出づくり
(で、でも・・・)

嘘に決まっていると思った。

そんな男がレイプなどする筈がないではないか。

(卑怯な竹内の事ですもの・・・・信用してはいけない)

(フフフ・・・)

竹内は薄笑いを浮かべながら、ジッと香奈子を見つめている。

メガネを外したままの細い目から、絡みつくような視線を投げてくる。

(ああ・・・・こ、この眼・・・)

ラウンジを出てから、男と目を合わせないようにしていたのだが、そうすればする程に視線を意識していた。

催眠術をかけられたように、抵抗する気力が奪われていく。

あの目を見ていると、無意識に支配される事を願ってしまう気がする。

このままでは再び身体を許す事になるだろう。

(でも、たとえそうなったとしても・・・)

既に気持ちは、犯される事を前提に考え始めていた。

不安と同時に期待がむず痒く沸き上がっている事に、香奈子は気付いていない。

(一度きり・・今夜で本当に最後だから)

半ば諦めの境地に立つ香奈子は、そう自分に言い聞かせている。

(ああ・・・)

エレベーターが停止した時、香奈子は思わず目を閉じた。

しかし、降り立った階はロビーのある1階であった。
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