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レモンティーな朝焼け―母娘調教―
第32章 思い出づくり
(馬鹿な、わたし・・・)

オレンジ色の光が動くインジケーターを、うつろな眼差しで追う香奈子は自分を責め続けていた。

最上階から降りていくエレベーターがどの階で止まるのか、男には知らされていなかった。

(ど、どうしよう・・・)

後悔が胸に広がっていく。

懇願する男の手を振り解く事が出来ず、今夜付き合う事を了承してしまったのだ。

『十二時まで・・・・いや、一時間だけでもいい』

男は巧妙な逃げ道を用意していた。

『思い出が欲しいんだ・・・』

仕方なく納得するような曖昧な形で、香奈子を誘う。

このままホテルの部屋に連れて行かれ、抱かれるのだろうか。

『僕の方からは決してあなたに手を出しませんから』

そう、竹内は約束をした。

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