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レモンティーな朝焼け―母娘調教―
第4章 満員電車
(でも・・・・もう、いや・・・)

昨夜で我慢の限界であった。

『圭ちゃん、何か欲しいものはない?おじさんが買ってやるよ・・・』

気をひく積りなのだろうか、馴れ馴れしい口調で自分の名を呼ぶ。

ヌラヌラと光った唇が脂ぎった顔と共に、おぞましい印象を少女の心に刻んでしまった。

そして、父と母に対する怒り。

(わたし、ママみたいにはどうしても出来ない・・・パパも嫌い)

笑みを浮かべ、男をあしらう態度に大人の欺瞞とジレンマを感じたのだろうか。

それらが複雑に交じり合いながら、夢に現れたのかもしれない。

「ううん・・・・きっと、そうよ」

圭子は自分に言い聞かせるように呟いた。

そして怒りの目を宙に向けた。

(あんな奴・・・・大嫌い)

夢から醒めてから、圭子は何度も心の中で言い続けていたのだ。

そうでもしないと気が狂いそうになる。

(あの匂い・・・・)

もうもうとふかすタバコの煙にむせた圭子は、気分が悪くなった。

胸の動悸が激しくなり、吐きそうだった。

喉がやたらと渇き、ジュースばかり飲んでいた。

だが、飲めば飲むほどムカムカとした気分になった。

早くに自分の部屋に引き上げたが、中々寝つけなかった。

何故か身体が熱く火照り、一晩中悶々としていたのだ。

愛する少年の事を思い出そうとするのだが、竹内の顔が何故か浮かんでしまう。

『フフフ・・・・』

同時に笑みを浮かべる母が、現実よりも淫靡に増幅されてイメージされる。

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