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レモンティーな朝焼け―母娘調教―
第32章 思い出づくり
ざわめきがおさまるのを待って、男が再びマイクを女の顔に近づけた。

『気持ちが落ち着いた所でどうですか、お名前を聞かせてくれませんか?』

もはや、女に拒否する気力は残ってはいなかった。

『さ、幸子・・・・・です・・・・』

か細い声がマイクを通して会場に響いた。

『苗字は?上の名前も教えてくれませんか・・・・?』

『た、田島・・・・・田島・・・幸子です』

(ああっ・・・)

答えた名前が、香奈子の胸にズキリと突き刺さった。

偶然だろうか、自分の名前に余りにもよく似た響きだった。

『田島幸子様ですか・・・・いいお名前ですねぇ』

その気持ちを見透かすように、香奈子の方を向きながら言った。

『さあ、それでは始めましょうか』

男が目配せすると、ステージの端に控えていた筋肉質の二人組みが幸子に近寄った。

「ああっ・・・」

次の瞬間、香奈子は声を漏らした。

屈強な男達の手でブラウスが引き裂かれたのである。
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